沖縄県立芸術大学
沖縄県立芸術大学 開学30周年「つくる、つなげる30年。」
学部・研究科・附属機関等

芸術文化学研究科(後期博士課程)

教育研究上の目的

芸術文化学研究科は、実技との結びつきを重視した芸術文化に関する高度な理論と応用の教授研究により、芸術文化についての豊かな識見及び自立して研究活動を行うに必要な高度の能力を有する研究者を養成し、もって芸術文化の発展に寄与することを目的とする。(大学院学則第3条の4)

芸術文化学研究科概要

本学大学院の芸術文化学研究科(後期博士課程)芸術文化学専攻には、比較芸術学と民族音楽学の二つの研究領域にそれぞれ三つの研究分野が設定してあます。

また今年度より新たに芸術表現研究領域が開設され、造形芸術と音楽芸術の研究分野が設定されています。

学生はいずれかの研究分野に属して研究指導を受け、必修科目として「芸術表現総合比較研究I」、選択必修科目として8単位以上を履修し、博士論文等の審査に合格すれば修了することになります。

教育理念・目標

芸術文化学研究科は、本学大学院の後期博士課程です。本学大学院は、建学の理念に基づき、伝統芸術・民族芸術の汎アジア的基盤での育成・研究をはかり、美術・音楽・芸能等諸芸術文化の国際的な比較研究の場を展開して、高度な専門知識と能力を有する指導者を育成すると同時に、とりわけ東アジア・東南アジアを結ぶ東アジア太平洋文化圏の伝統芸能の継承と新たな芸術の創造に資する国際的視野での総合的な芸術文化研究機関です。

アドミッションポリシー(入学者受け入れの方針)

芸術文化学研究科の入学者選抜は,上述の教育の理念・目標を達成できるような、芸術に関する基礎的な知識を備え、自立した研究者となるための意欲と能力と展望を備えていることを判定の主眼としています。

カリキュラムポリシー(教育課程編成・実施の方針)

芸術文化についての幅広い見識と、自立して研究活動を行うに必要な高度の能力を養うような教育を行います。博士論文、または博士論文及び研究作品・研究演奏の完成を目標とした研究指導を中心に据え、実技と理論との結びつきを重視した本学ならではの科目である芸術表現総合比較研究Iを必修として、その他複数の領域の科目を自由に選択するようにしています。

ディプロマポリシー(学位授与の方針)

研究指導を受け所定の単位を修得し、博士論文の審査及び試験に合格した学生には、博士課程の修了を認定し、博士(芸術学)の学位が授与されます。

比較芸術学研究領域・民族音楽学研究領域における博士論文、芸術表現研究領域における博士論文及び研究作品・研究演奏は、1)その専門分野において高度な研究内容であること、2)独創的な研究であること、3)その研究が国際的にも貢献できること等の観点から審査します。

修了生の声

呉 海燕 ご かいえん

「琉球」との出会いは、私にとって「縁」としか表現できないことだと思います。中国の「北国」ハルビンの大学で日本語・日本文学を専攻した私は、偶然の機会で「南国」沖縄への留学が決まりました。当時の私の中で、沖縄は「日本」の一つの「県」という認識しかありませんでした。沖縄での生活、勉強が続く中で、次第に沖縄の独特な風土とそれに培われた文化に惹かれ、特に「廃藩置県」前の「琉球国時代」に強い関心を抱くようになりました。「この土地についてもっと勉強したい」という思いで本学大学院の後期博士課程に入学しました。

自分の目指したものを学位論文にするのは、それこそその過程は苦しかったです。が、それはまた同時に、学ぶことの喜びと先生方や仲間たちの優しさが味わえる時期でもありました。指導教官とゼミのメンバーはもとより、違う専攻の先生と先輩、後輩からもアドバイスや励ましの言葉をいっぱいいただきました。私の研究対象は過去の「琉球国時代」ですが、ここの土地と人々から、昔と変わらない温かさをつくづく感じています。琉球・沖縄—私はこの「偶然」の出会いと付き合いに感謝し、この地で過ごした歳月を胸の一番温かい隅にしまっておきたいと思います。

芸術文化学研究科長 久万田 晋 くまだ すすむ

[写真]柳 悦州

比較芸術学研究領域

比較美学・芸術学分野

比較美学・芸術学の分野では、従来における西洋美学への偏重を反省しつつ、多様な美意識を体系的な見地から比較研究することによって、それぞれの特質および形成原理を解明することを主要な課題としています。とりわけ、芸術体験の価値構造の分析から導かれる諸契機により、東西の美意識を比較類型学的に解明することが目指されます。

[写真]書庫の様子

芸術批評史分野

芸術批評史の分野においては、作家による作品の歴史という従来ありがちな美術史学の研究方法の限界を反省しつつ、美術作品を生み出してきた思想的、歴史的な背景を厳密な史料的把握を通じて、いわば精神史としての美術史を人文科学の諸方法を用いて構築することが目指されます。

[写真]ゼミの様子ゼミの様子

民族芸術文化学分野

民族芸術文化学の分野では、諸民族における芸術と文化の役割を可能な限り現実のフィールドワークや具体的な言語研究に即して実証的研究を行います。例えば琉球の伝承文学(古歌謡)、オモロ、組踊、琉歌等の研究、あるいは御嶽の発祥由来の研究などを比較言語学や文学、文化人類学の諸方法を援用しつつ研究していきます。

[写真]ゼミの様子ゼミの様子

民族音楽学研究領域

音楽史分野

音楽史の分野は、琉球、日本、東洋および西洋の音楽について歴史的研究を行います。古文書古楽譜の分析解釈に加えて、今日まで伝承されている音楽を対象とする場合は、その音楽の実践に即した研究方法を探究します。

民族音楽学分野

民族音楽学の分野では、主に対象の中心を琉球の古典音楽に置き、琉球独自の言語表現による文学とも関わり、その音楽的構造や形態との関連を研究するとともに、あわせて琉球音楽の歴史的形成に寄与した東南アジア諸国の諸民族の音楽を音楽構造の視点から研究します。

[写真]講演会の様子

民族芸能論分野

音楽を主体とする諸民族の芸能の総合的研究として、現在の音楽学に欠落している重要な分野です。民族芸能論が対象とする領域は、芸能的および民俗的な音楽をはじめとする舞踊・演劇および民俗芸能を包括します。とくに琉球の伝統的な組踊及び琉球舞踊、および民俗芸能は研究の中核を構成します。

[写真]フィールドワークの様子

芸術表現研究領域

造形芸術分野

造形芸術の分野では、芸術家、研究者、教育者などとして自立した活動が行えるよう、より高度な作品制作能力を培い、それを理論的に支える研究の方法を学びます。また、人間の知的文化的活動の一つとしての造形芸術の意味と役割について、作品制作と研究を通して伝える能力を身につけます。

音楽芸術分野

音楽芸術の分野では、芸術家、研究者、教育者などとして自立した活動が行えるよう、より高度な舞台表現・作品制作能力を培い、それを理論的に支える研究の方法を学びます。また、社会や環境に根ざした表現活動としての音楽芸術の意味と役割について、舞台表現・作品制作と研究の両面から伝える能力を身につけます。

[写真]第一回公開研究演奏会第一回公開研究演奏会

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