今回の講座では、今では多くが失われてしまった戦前の公共彫刻の写真をたくさん見ることができました。

            

講座終了後には旧首里支所から外された「竜 浮彫」を鑑賞しながらの質疑応答です。

 



今年度の教養講座でも、多く方がご来場くださいました。芸術学専攻では次年度以降も、面白い講座を提供できるように努めて行きたいと思います。ご意見、ご要望や講座案内を希望される方は、氏名、件名を明記の上、 geijutsu(a)okigei.ac.jp((a)を@にえてご利用ください)までご連絡ください。



















 

今回の講座は、平良孝七の写真集『パイヌカジ』を中心としたものでした。未だ十分な研究がなされているとは言い難い作家の話に、来場者のみなさんも強い興味を示したようです。

  









 

芸術学専攻の教養講座の様子をご紹介します。

芸術学専攻の1年次による教養講座のレポートです。

平成22年10月14日(木)「神話的思考と芸術」(講師:沖縄県芸術大学 准教授 喜屋武盛也)

教養講座の内容と感想


「神話的思考と芸術」という演題は、はじめ非常に難解なものに感じた。しかし、この教養講座はとてもわかりやすく題とその内容を説明してくれた。色々な理論や思考を辿りながら学んだが、とくにわかりやすかったのは、神話が芸術に入り込んだ例で、それを念頭において、芸術というものが、神話的世界の克服である こと、また神話的思考と科学的合理的思考の間で独自の位置を占めている、という内容を理解することが出来た。新たな芸術の解釈により、自分自身の視野も広がったと思う。

会場の様子


小さな会場ではありましたが、用意していたレジュメの部数では足りなくなるほど多くの方々にご来場して頂き、喜屋武先生の興味深いお話に耳を傾けて頂くことができました。

ご来場者の皆さんに書いて頂いたアンケートの中に、「1つのテーマについて先生方がトークセッションをするという機会をぜひ!」というご要望がありましたが、このような機会は、学生や学校関係者、受験生を含め、多くの方々が待ち望んでいることではないでしょうか。

個人的には、「芸術とは何ぞや。」という大きなテーマのもとに、芸術学の先生方にそれぞれのご専門の立場から自由にご意見を述べて頂き、クールでホットなトークバトルを繰り広げて頂きたく思っております。

芸術学の先生方、是非ともよろしくお願い致します。

平成22年10月21日(木)「葉の仮面(グリーンマン)とオケアノス」(講師:沖縄県芸術大学 教授 尾形希和子)

*当日演題の変更がありました。

教養講座の内容


本年度2回目の教養講座は10月21日に「葉の仮面とオケアノス」という題で尾形希和子教授によって行われました。

葉の仮面(グリーンマン)とは、中世ヨーロッパの教会建築の装飾にたびたび見られる蔦で覆われたマスクのことで、本講座ではまずこのグリーンマンとギリシャ神話の河の神オケアノスの図像的関係から始まりました。

また、オケアノスの図像がグリーンマンの起源というだけでなく、インドの寺院に見られるキールティムカという顔についてもオケアノスの影響が語られるなど、欧州からアジアまで地理的射程の長い話になりました。


教養講座の感想


中世のキリスト教美術では古代の美術は忘れられていたというイメージがありましたが、今回の講演をきいて、中世美術には古典のモチーフがたくさん残っているということを知りました。

グリーンマンなどの協会装飾に、植物に声明の力強さを感じ取り、宇宙の営みや時の移ろいのシンボルとする感性が現われていると知り、おもしろく思いました。

このような植物や時間のイメージが、西洋と東洋で少なからず共有されたものであることを知って、現代の私たち自身の生活についても考えさせられました。


今回も沢山の方にご来場いただました。

「葉の仮面とオケアノス」を巡る多くの図像を見ることができました。

平成22年11月4日(木)「セザンヌとデュシャン」(講師:沖縄県芸術大学 教授 浅野春男)

教養講座の内容と感想


「時空を超えたタイム・マシン美術史学の幕開け」と銘打たれた本講演は、2005年に没した『セザンヌ解釈』(浅野春男訳、スカイドア、1996年)の著者シドニー・ガイストに捧げられた。


デュシャンの彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(通称大ガラス)とセザンヌの黒い置時計を男女の性的関係の表象という観点から並び見るとき、両者に共通する3点の白い方形(大ガラスでは3枚の白紙、黒い置時計では3箇所のテーブルクロスの襞)を、前者においては遂に果たされずにしまった性的昇華の敗北とし、後者では、セザンヌと恋人オルタンスとの間にやがて生まれくる息子ポールという勝利の暗示とみなした点で、むしろセザンヌこそがデュシャンの作品を発展させた表現を創出しているとする新解釈は、セザンヌが「タイム・マシン」に乗り、デュシャンの作品に出会っていたことを不可避的に要求する。なお、本講演中、セザンヌがレスタックの岩に1960年発売の「ダッコちゃん」を巧みに忍ばせているという新発見も、「タイム・マシン」説の有力な傍証として明かされた。ここで語られる「タイム・マシン」とは、いったい何なのか。単線的な時間軸を前提としていた自らの美術史学への見方が、大きく揺さぶられた。


台風による急な日程変更にもかかわらず、この日も多くの方に足をお運びいただきました。

ご来場いただいた皆さま、どうもありがとうございます。




神話的思考と科学的思考、西洋と東洋、そして未来から過去へと、様々な境界を横断するようなテーマを取り上げました第6回芸術学専攻教養講座は、全3回を好評のうちに終えることができました。

来年度の教養講座もご期待ください。

 

台風のため11月4日(木)に延期

第7回芸術学専攻教養講座(平成23年10月14日(金)ー10月28日(金))

教養講座の内容①


本年度第一回目の教養講座の題は「西洋中世における象」であり、尾形希和子教授によって行われた。スライドを使用し、象の画像をたくさん見せていただいた。自分が知っている象と異なる様々な画像はとても興味深かった。中世の人々は実際に象を見たことがないため、象の色を想像して描き、象ではなく全く違う生き物のように造っていた。時が進むほど象が細かく観察され、写実的に描かれるようになるが、今なお作品における象の謎は面白く感じる。


平成23年10月14日(金)「西洋中世の象」(講師:沖縄県芸術大学 教授 尾形希和子)

教養講座の内容②


現代と違い中世の西欧などではメディアを通して視覚的に情報を得ることができないため、描かれた象の姿は実際のものとはかなり違っていましたが、象を通して神話を表現するなど「象」に様々な意味を持たせて描いているのが面白かったです。似せて書くことよりも、象で何かを伝えることに重きを置いたからだと思いました。また、西欧に限らず他の土地でも象を題材にした作品は数多くあり、国により象が表現している内容が違うことがあったので、動物に様々な意味を持たせて表現するのはどこの国、時代でも変わらないが必ずしも同じことを表現したいわけではないということがとても興味深かったです。


講座の最初に、来場者の方に記憶だけで象を描いていただきました。皆さん、中々お上手でした。

古代から中世、現代にいたるまで、様々な時代に描かれた象の作例がたくさんでてきました。

平成23年10月28日(金)「玉那覇正吉と沖縄の公共彫刻」(講師:沖縄県芸術大学 教授 小林純子

教養講座の内容と感想


沖縄県立芸術大学、第7回芸術学専攻教養講座では、「玉那覇正吉と沖縄の公共彫刻」という題目で旧首里支所の竜の浮彫について小林純子教員より解説が行われた。

「竜 浮彫」は3枚のパネルがつながって1つの作品となっており、ボルタルで作成されている。それ程、浮彫りは厚くないが首里城を守っていた竜が這い出したかのような動きと存在感がある。玉那覇正吉は、1946年に沖縄へ戻り、沖縄の彫刻界に大きな影響を与え、1966(昭和41)に竜の浮彫を作成した。個人的には「竜 浮彫」が旧首里支所の壁から取り外され、芸大に運ばれていく過程の写真がとても印象的で勉強になった。


教養講座の感想①


 戦後から沖縄を撮影し続けた写真家と言えば、去年に沖縄県立博物館美術館で展覧会が行われた 比嘉康雄と、現在展覧会を行っている東松照明がいる。今回、土屋先生の教養講座で初めて平良考七という写真家の存在を知った。彼は沖縄の本島ではなく離島を撮影し続けていた。戦後、徐々に本土化してゆく沖縄を離島から見直す、という事らしい。沖縄をそういった目線で見るというのは私には無かったことだったので、なんだか新鮮に感じた。


平成23年10月21日(金)「復帰前後沖縄における写真表現をめぐって−平良孝七を中心に」

                                    (講師:沖縄県芸術大学 講師 土屋誠一)

教養講座の内容②


写真作品を鑑賞するとき今まで構図や色の調子のような表面的なものしかみていませんでした。

今回「沖縄復帰」のような歴史(政治的な流れ)や、他の写真家の作品などいろいろな方向から考えることでさまざまな見方ができることを知りました。そして、作品にこめられた思いを知る面白さを知りました。

写真作品をこれから積極的に鑑賞多くの写真家の思いに触れてみたいと思いました。

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