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令和2年度 新入生に向けた学長メッセージ

新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。

本学教職員一同、心よりお祝いを申し上げますとともに、歓迎いたします。
4月2日に予定しておりました令和になって最初の記念すべき入学式は、今般の新型コロナウイルス感染拡大防止のため、急遽中止せざるを得なくなってしまいました。誠に残念なことではありますが、ご理解ご協力くださいました、入学生の皆様をはじめ、ご家族、関係各位に深く感謝申し上げます。

ご承知のように現在も地球規模で拡大の一途をたどるこの新型コロナウイルス感染症は、世界各地の大都市封鎖や人々の行動制限を招くに至り、人類の大きな脅威となっています。そして沖縄においても同様に、深刻な集団感染が懸念される緊迫した状況下にあります。本学では、このような厳しい状況でも皆様の教育機会を最大限に確保すべく、現在、教職員一丸となり新学期の授業開始に向けた準備に全力を注いでおります。

すでに3月31日付け本学Webサイト等でもお知らせしていますように、予定していたオリエンテーションや履修登録、授業開始を2週間延期しておりますが、今後の状況によっては更なる延期の可能性もございます。大学としても、授業開始準備はもちろんのこと、一人暮らしをされる方に向けても可能な限りサポートできるよう、連絡体制の構築に努めています。新入生の皆様におかれましては、今後の本学Webサイトやメール等による本学からの情報、連絡に注視していただきますようお願いいたします。

感染症の恐怖については、近くはSARS、MERSコロナウイルスや新型インフルエンザウイルス流行時にも、人類の疫病との戦いの歴史とともに度々語られ警鐘が鳴らされてきましたが、ヒトが世界的に往来する現代社会においては、ひとたび事が起こると簡単には終息させることができません。報道においても、先ずは、感染拡大を少しでも防ぐため我々自身が無症状のまま感染源となる可能性を認識し、不要不急の外出を控え、人と人との距離を1.8メートル(最低でも1メートル、できれば2メートル以上)のソーシャル・ディスタンス(社会的距離)とすることが重要とされています。皆様には、現況を十分に理解され、体調管理に万全を期すとともに、感染拡大を招く行動を控えていただくよう、強くお願いいたします。

現代は先行き不透明な時代と言われます。我が国では1995年の阪神・淡路大震災以降、今世紀に入ってからも2011年の東日本大震災を含め、各地で相次いで地震が頻発し多くの被災者を出していますし、近年の地球温暖化による気候変動がもたらす異常気象による豪雨災害や今般の新型コロナウイルス禍など、ときにヒトは自然の猛威の前で無力感にさいなまれます。また紛争や迫害、戦争による難民問題や根深い人種差別、人権問題、自然破壊に起因する環境問題など人的災害が社会に及ぼす不安定要素は計り知れません。まさに自らの歴史観、自然観を見つめ直し、多様な価値観への理解と、多角的な視点や想像力の獲得が求められる時ではないでしょうか。このような将来の変化を予測することが困難な時代を前に、現在と未来に向けて自らの人生を芸術と共にどのように切り拓いていくのか、自らの生涯を生き抜く力を身につけ、社会にどのように貢献していくのかを、芸術を志す者として共に学び、考えていきたいと思います。

首里の学舎でお会いできる時まで、何卒、今しばらく皆様のご理解とご協力をお願いする次第です。

2020年4月3日
沖縄県立芸術大学学長
波多野 泉

お問い合わせ

教務学生課

住所:〒903-8602 沖縄県那覇市首里当蔵町1-4
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