科目コード | 授業科目名 | 単位数 | 学期 | 授業区分 | |
16181 (52204) |
音響学 | 2 | 後期 (集中講義) |
講義 | |
受講年次 | 担当教員名 | ||||
全専攻1〜4年次 | 鈴木和秀 (c)神谷武史 |
■テーマ |
録音・再生における音楽情報伝達過程の分析を通じて,音響状態と音楽の伝わり方との関係を学び,音を客観的にとらえる視野を獲得する。 |
■授業の概要 |
録音物は,音楽体験や音楽のありように大きな影響を及ぼしている。しかし,その制作過程では,制作者の感性に依存した音響情報の再構築が行われており,音楽の伝わり方に関する様々な課題が生じている。 本講義では,音楽と音響の接点である録音・再生における音楽情報伝達を取り上げ,芸術音楽の録音制作における音響状態と音楽の伝わり方との関係を学ぶ。そして,音響学の基礎知識に触れながら,音の状態を客観的にとらえる音質評価手法の学習を通じて,音楽を伝える上で重要な点は何かをあらためて考え,受講生各自の専門に役立てることを目標とする。 |
■到達目標 |
1. 生演奏及び録音物における音楽情報の特性とその違いが理解できる。 2. 録音・再生における音楽情報の伝達過程が説明できる。 3. 演奏環境及び録音技術が音楽を伝える上で果たす役割を説明できる。 4. 録音物における音楽表現と録音,編集技術との関係性が理解できる。 |
■授業計画・方法 |
1. 音の性質,聴覚の特性について。 2. 録音・再生の概念について。(生演奏と録音物の違いとは。) 3. 演奏・録音環境と録音技術との関係。 4. 録音・再生の歴史T(録音・再生方式) 5. 録音・再生の歴史U(記録媒体の変遷) 6. 録音・再生の歴史V(録音技術の変遷) 7. 録音における音の伝え方と音楽表現との関係について。 8. 音の状態を客観的にとらえる音質評価の枠組みと実際について。 9. ピアノの演奏環境に関する音響実験T(奏楽堂ホール) 10.ピアノ+ソロ楽器(声楽)の演奏環境に関する音響実験 (奏楽堂ホール) 11. 録音実験T(奏楽堂ホール) 12. 録音実験U(奏楽堂ホール) 13. コンピュータを用いた編集・整音システムの概要。 14. 編集技術における音楽上の留意点と課題。(時間軸の操作が音楽に及ぼす影響ついて。) 15. 録音における音楽表現のありかた,今後の展望,まとめ。(定期試験は実施しない。) |
■履修上の留意点(授業以外の学習方法を含む) |
1. 本講義は,集中講義(4日間)での実施となり,3日目は,奏楽堂ホールにてピアノを対象とした音響実験,さらに,様々な演奏形態を対象に録音実験を行う。 2. 演奏を希望する受講生は,登録時に申し出,事前に演奏準備のこと。(演奏時間は1組7分程度を目処) 3. 実験は,ステージにおける自身の演奏を客観的にとらえる貴重な機会であり,積極的な参加を望む。 4. 出席には充分留意のこと。 |
■成績評価の方法・基準 |
【方法】 1. 方法 : 集中講義終了時にレポートを課す。平常点40%,レポート60%(集中講義終了時に設定する提出期限日,時間までに,音楽文化専攻学科室へ提出のこと。) |
【基準】 到達目標を観点として、履修規程に定める「授業科目の成績評価基準」に則り評価する。 |
■教科書・参考文献(資料)等 |
□教科書 第1回目に全体に渡る資料及び音質評価実験用ワークシートを配付する。 |
□テキスト 第1回目に全体に渡る資料及び音質評価実験用ワークシートを配付する。 |
□参考文献 「ピアノ・ノート 演奏家と聴き手のために」 チャールズ・ローゼン 著 朝倉和子 訳 みすず書房 |