沖縄県立芸術大学
音楽部&大学院(修士課程)音楽芸術研究科 シラバス

科目コード 授業科目名 単位数 学期 授業区分
48222 公共文化政策論 2 前期 講義
受講年次 担当教員名
全専攻2〜4年次 谷本 裕
■テーマ
芸術・芸能活動を支える法的基盤・政策基盤を理解する。また、行政や企業、財団に拠る芸術文化支援組織の具体的な活動を理解する。
■授業の概要
芸術文化団体のマネジメントを考える上で、とりわけ重要となるのが文化政策である。公演をはじめとする音楽・芸能事業を資金的に支える諸組織の活動内容について学ぶ。近代国家において国(中央政府)はもちろん地方自治体、さらには企業をはじめとする民間組織がさまざまな文化政策によって芸術文化の振興を図っている。それら営みを出来るだけ詳細に、また実際に即して述べる。芸術文化を振興するうえで重要な役割を果たしている法律・条例についても取り上げる。芸術文化によって社会の活性化を目指す「創造都市」、社会的に阻害されている人々の参加を促す「社会包摂」の概念などについて触れる。
■到達目標
大学ディプロマポリシーに基づき、
・日本を主軸とする国家の文化政策、地方自治体の文化政策の歴史や現状、課題などについて専門的な知識を理解する。
・法的な枠組みや近年の文化行政に特徴的な「創造都市」「社会包摂」といった概念について理解し、アートマネジメントの学習の土台とする。
・主体的に研究を継続し、各種の文化政策を踏まえ、社会における活動を発信できる能力を備える。
・必要に応じ、自ら各種助成組織などへの応募を手掛けられる能力を培う。
■授業計画・方法
1.ガイダンス、日本の文化政策@ー戦前の文化政策
2.日本の文化政策Aー戦後・現代の文化政策
3.文化庁ー文化行政と文化予算
4.海外の文化政策 −フランス・アメリカを軸に
5.沖縄の文化政策
6.地方自治体の文化政策
7.法的枠組み −文化芸術基本法
8.法的枠組み −劇場法(劇場、音楽堂等の活性化に関する法律)
9.著作権法
10.文化振興条例
11.企業メセナ
12.NPO
13.創造都市論と社会包摂
14.アーツカウンシルと五輪文化プログラム
15.まとめ 定期試験は実施しない。課題をレポートで課す。
■履修上の留意点(授業以外の学習方法を含む)
(1)文化・芸術の振興に関わる国内外の動きに普段から注目すること。(2)身近な自治体の文化政策について興味関心をもつこと。(3)県内外企業の芸術文化支援活動について興味関心を持つこと。(4)公演や研究を助成する主要な財団の具体的な支援事業について興味関心を持つこと。(5)配布資料は複数回の講義で使うことがあるので、適宜、携行すること。
■成績評価の方法・基準
【方法】
(1)平常点40%(2)ミニレポート10%(3)レポート50%
【基準】 到達目標を観点として、履修規程に定める「授業科目の成績評価基準」に則り評価する。
 
■教科書・参考文献(資料)等
教科書
教員の指示による。
テキスト
野田邦弘著『文化政策の展開』学芸出版社 2014年 ほか
参考文献
授業中、必要に応じ教員が配布する。
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