沖縄県立芸術大学
音楽部&大学院(修士課程)音楽芸術研究科 シラバス

科目コード 授業科目名 単位数 学期 授業区分
51121・51122
(51015)
舞台表現演習 I・II(身体表現演習) 1・1/2 前・後 演習
受講年次 担当教員名
(舞台表現演習)音楽表現専攻声楽コース1年次、 市瀬陽子、宮城さつき(c)松田奈緒美
■テーマ
実演家に必要な所作や身体の使い方について、西欧の古典的なダンスを実習することを通して学んでいく。内容は身体表現、音楽表現、コミュニケーションと舞台表現、美術や衣装・ファッションなど多岐にわたるので、声楽専攻の学生はもちろん、広く音楽表現・芸術表現に関わる学生の履修を歓迎する。
■授業の概要
1)身体の構造を把握し、無理のない自然な姿勢や動きを論理的に理解する。
2)姿勢や歩き方の基礎を押さえ、美しいステージマナーを身につける。
3)16世紀から19世紀に至る西欧史を概観し、歴史的な背景を知ることによって音楽への理解を深め、豊かな音楽表現を可能にする。
4)クラシック音楽のレパートリーとして欠かせない様々な舞曲について、ダンスの実習を通してリズムやテンポを理解し、演奏表現へと結びつけられるようになる。
5)時代設定に相応しい所作、役柄に見合った身のこなし、ダンスの素養など、ステージに立つ上で必須の基礎を押さえ、さらに個性を活かした魅力的な表現を目指す。
■到達目標
・身体の構造を把握し、無理のない自然な姿勢や動きを論理的に理解して、演奏表現に活かすことができる。
・西欧の歴史や文化に広く関心を持つことにより、芸術表現の基礎を培うことができる。
・戯曲や舞台作品に現れるダンス(舞踏会)の意味を理解し、様式感を持って演奏したり演じたりできるようになる。
・想像力を働かせながら、言葉に込められた意味を理解し、感情として自分の中に落とし込み、それを最終的に効果的な方法で声に出して表現する力を身につける。
■授業計画・方法
前期
1.身体の成り立ちを知るT: 身体構造の概要を把握し、姿勢や動作の基本を学ぶ
2.身体の成り立ちを知るU: 正しいストレッ方法を学び、効果的に活用する
3.舞台上の所作T: 舞台での立ち姿勢、歩き方、挨拶の仕方
4.舞台上の所作U: 表情と所作、演技表現の基礎
5.「歩く」ことから「ステップ」へ: 16世紀のダンス〈パヴァーヌ〉と〈ガイヤルド〉
6.オペラの成立とモンテヴェルディ: 16世紀末イタリアのダンス〈バッロ〉
7.社交的なマナーのポイントを知る: 17世紀〜18世紀イギリスの〈カントリーダンス〉
8.社交的なダンス: モーツァルト時代の〈コントルダンス〉
9.宮廷貴族の所作を学ぶT: 姿勢と足のポジション、挨拶の仕方
10.宮廷貴族の所作を学ぶU: 立ち居振る舞いの基礎としてのバロック・ダンス
11.フランス宮廷のオペラとバレエ: クラシック・バレエの源流を知る
12.フランス宮廷の舞踏会T: メヌエットの基本ステップを学ぶ
13.フランス宮廷の舞踏会U: 舞踏会のメヌエットを踊る
14.フランス宮廷の舞踏会V: ガヴォットの基本ステップを学ぶ
15.フランス宮廷の舞踏会W: 舞踏会のガヴォットを踊る。  定期試験を実施する。
後期
16.フランス風の舞曲とその音楽表現: J.S.バッハの音楽とフランス宮廷のダンス
17.社会的な階級の違いとダンス: モーツァルト〈ドン・ジョヴァンニ〉を例に
18.市民社会のマナーと舞踏会: サロンの文化
19.19世紀のダンスT: ワルツ
20.19世紀のダンスU: ポルカ、ポロネーズ
21.19世紀のダンスV: コティヨン、カドリーユ
22.まとめ: ここまで学習し得たことを整理する。音楽はもちろんのこと、ダンスを含む身体的な表現、美術や衣装などにも広く注意を向け、舞台芸術を俯瞰的に捉えることによって、適切な表現を見出していく。
23.ガイダンス 自己紹介を兼ねた1分間スピーチ
「ニュース原稿」「ナレーション原稿」「朗読」それぞれに求められる読み方の違いを学ぶ。
24.ドキュメンタリー番組を鑑賞し、番組の主旨を理解する。(宿題として感想をまとめて提出)
25.実際に映像を観ながらナレーションをあてていく実習。
26.実際に映像を観ながらナレーションをあてていく実習。
27.様々なジャンルの原稿を読む(お天気、ニュース、提供読み、取り説)
28.芥川龍之介の「蜘蛛の糸」の朗読 (立体的な表現を学ぶ)
29.「蜘蛛の糸」を暗唱して1人ずつ朗読する。本を手にして読むことと、暗唱して語ることの違いを体感する。
30.総括 これまで学んだ「表現」の方法を活かし、それぞれの専門分野を取り入れた1分間の自己PR。定期試験を実施する。
■履修上の留意点(授業以外の学習方法を含む)
・実技に対応した、動きやすい服装と靴で授業に臨む。
・以下の二点について常に念頭に置いて学びを深め、その成果を各期末試験に反映させる。
1)歌唱や演技、演奏表現などにおいて実際に感じている問題を、よく整理して授業に臨む。(予習に相当する)
2)学んだ内容をレッスンや演奏、舞台表現などの現場において応用し、反芻する。(復習に相当する)ナレーション原稿の読みの練習や、朗読の暗唱をしっかり行なった上で授業に臨む事。
■成績評価の方法・基準
【方法】
平常点50%、定期試験50%
・番組感想文の提出
・朗読の暗唱発表
・1分間自己PR
【基準】 到達目標を観点として、履修規程に定める「授業科目の成績評価基準」に則り評価する。
■教科書・参考文献(資料)等
教科書
教員の指示による。
テキスト
教員の指示による。
参考文献
授業において適宜配布、指示する。
←戻る