科目コード | 授業科目名 | 単位数 | 学期 | 授業区分 | |
51283・51284 (47282) |
フィールドワーク演習A・B | 1・1 |
前期・後期 |
演習 | |
受講年次 | 担当教員名 | ||||
音楽文化専攻3〜4年次(音楽学コース2〜4年次) | 遠藤美奈 |
■テーマ |
民族音楽学における短期型フィールドワークの技法の習得 |
■授業の概要 |
民族音楽学の研究手法の一つとして用いられるフィールドワークの技法を学ぶ。フィールドワークとは、調査を行いたい祭事・祭祀当日等に立ち会うことではない。授業では、調査を行うための準備やその心構えといった調査前の段階から、現地調査で得られた媒体を研究資料として活用・管理・残すための方法といった調査後の一連の過程についても考える。 調査の過程では、生活している人々の日常に踏み込んでいくことが多く、とりわけ録音や録画技術とともに、人々とのコミュニケーションやモラルを身につけることが求められる。人が紡いできた地域に根付く芸能文化を学び体感しながら、自らの研究に援用してもらいたい。授業では、便宜上、近在の民俗芸能を扱うが、広く日本・アジア各地の芸能にも応用できる考え方や技法を学ぶ。 |
■到達目標 |
・授業で習得した知識や技術を使って、適切にフィールドワークを実施できるようになること。 ・得られた情報、録音、録画を適切に整理して、良質な報告書が作成できること。 ・フィールドワーク及びデスクワークを通して、仲間と適切に連携・協力して、共同作業ができること。 |
■授業計画・方法 |
1.オリエンテーション:これまでの調査例、民謡等の調査研究史 2.フィールドワークのモラル 3.後悔しないための録音・録画術 4.後悔しないための撮影術 5.インタビュー技術 6.情報収集の方法 7.調査対象の選定と対象芸能を学ぶ 8.出かける前の準備とデータ整理 9.歌詞聞き取りと採譜の方法 10.採譜の校閲とは 11から15.フィールドワークの実践 事前調査(7月頃予定) 調査(8月から9月頃予定) 16.整理@ 調査の振り返り 17.整理A 録音・録画のコピー作成と録音台帳の作成 18. 整理B 録音台帳の点検、採譜の方法、分担決定 19. 分析@ 採譜の点検(速度、調等の検証) 20. 分析A 採譜の再点検 21. 考察@ 客観性のある採譜とは何か考える 22. 考察A 映像で「記録」するということを考える 23. 考察B 「保存会」の諸問題 24. 考察C 誰が担い手なのか/なるのか継承について考える⑴ 25. 考察D 誰が担い手なのか/なるのか継承について考える⑵ 26から28. 補充調査 29. 整理C 補充調査の整理 30. まとめ 報告(プレゼンテーション) |
■履修上の留意点(授業以外の学習方法を含む) |
・教室内での授業以外に、フィールドワークを実施する。これに伴い授業の数回分をこれに充てるので、必ず参加すること。また、芸能の内容、調査地域によっては帰宅が深夜に及ぶこともある。ただし、日程等は受講者の都合も含めて相談して決める。授業時間の他に、学生が主体的に動いて、調査地の担当者と連絡を取ったり、情報を収集したりすることになるので、積極的な参加が望まれる。 |
■成績評価の方法・基準 |
【方法】 報告書・報告(プレゼンテーション)50%:採譜を含む 調査技術 20%:適切な録音・録画・情報収集、取材対象とのコミュニケーション チームワーク 20%:課題の遂行、受講者との連携 授業内での議論への参加 10% |
【基準】 到達目標を観点として、履修規程に定める「授業科目の成績評価基準」に則り評価する。 |
■教科書・参考文献(資料)等 |
□教科書 教員の指示による。 |
□テキスト 教員の指示による。 |
□参考文献 教員の指示による。 |