科目コード | 授業科目名 | 単位数 | 学期 | 授業区分 | |
51291 | 琉球語T | 2 | 前期 | 演習 | |
受講年次 | 担当教員名 | ||||
琉球芸能専攻2〜4年次 | 仲原 穣 |
■テーマ |
琉球語の基本を身につけ、琉球語を理解できるようになろう! |
■授業の概要 |
世界的に「言語」として認定された奄美・沖縄の伝統的な言語の総称を「琉球語」という。「琉球芸能」で使用されることばも琉球語である。なお、琉球の古典芸能で使用されるのは「琉球語」のうちの「沖縄語」であり、なかでも「首里方言」が使用される。首里は琉球国の首都であった土地であり、首里で用いられていることばは、少なくとも15世紀中期以降、「琉球国」の中央語である(「中央語」とは国の政治や文化の中心地で用いられていることばである)。 本講義では、「琉球語T」の礎となる講義「琉球語基礎」で身に付けた「首里くとぅば(首里方言)」の基礎知識の確認から行う。さらに琉球語基礎では教えなかった新たな発音の特徴や文のしくみなど学び、首里方言の基本をマスターする。講義では、首里方言の発音訓練も繰り返し行うため、次第に単語や文に慣れ親しむことができ、琉球芸能における発音の向上にもつなげることができる。 |
■到達目標 |
1.琉球語に関する知識を習得し、琉球語と沖縄語との違いや日本語との関係などについて説明できる力をつける。 2.首里方言などの沖縄語で話された高年層の会話を5割程度聞きことができる。 (高年層の〔ゲスト講師〕の話す沖縄語の談話をある程度は理解できるようになる) 3.あいさつや自己紹介などの短い文を覚えて使用することができる。 4.単語を覚え、音や文のルールを身につけ、簡単な単文を作ることができるようになる。 |
■授業計画・方法 |
第1回 講義概要/琉球語の範囲と区画/琉球語の系統/あいさつ 第2回 自己紹介/発音のルール@(三母音化【第1課】) ([準備]1回目のプリントを読み込み、琉球語の範囲と区画、系統を理解し、あいさつを練習する) 第3回 発音のルールA(連母音の変化【第1課】、1拍語の特徴【第2課】) ([準備]教科書の第1課、2回目のプリントを読み込み、自己紹介、母音の三母音化の基礎知識を確認する) 第4回 ゲスト@:インタビュー形式 〜琉球芸能、いま、むかし(その1)〜 ([準備]これまで授業で身につけた琉球語を復習し、ゲスト講師の談話を聞き取れるように準備する) 第5回 発音のルールB(口蓋化【第1課】、その他の子音の変化【第3課、第5課】) ([準備] 教科書の第1課、3回目のプリントを読み込み、連母音の変化と1拍語の基礎知識を確認する) 第6回 文の作り方@(「ガ」「ヌ」の区別、代名詞【第1課】/形容詞の語尾変化@終止形・連体形・ヌ形・連用形 【第2課】) ([準備]教科書の第1課、5回目のプリントを読み込み、口蓋化などの子音の変化の基礎知識を確認する) 第7回 文の作り方A(動詞の語尾変化@否定形・命令形・禁止形【第2課】) ([準備]教科書の題1〜2課、6回目のプリントを読み込み、「ガ」「ヌ」「代名詞」、形容詞の語尾変化@ を理解し、練習問題を解く) 第8回 ゲストA:インタビュー形式 〜琉球芸能、いま、むかし(その2)〜 ([準備]これまで授業で身につけた琉球語を振り返り、ゲスト講師の談話を聞き取れるように準備する) 第9回 文の作り方B(動詞の語尾変化A終止形・連体形、「ドゥ」の使い方と役割〈係り結び@〉【第3課】) ([準備]教科書の第2課、7回目のプリントを読み込み、動詞の語尾変化@を理解し、練習問題を解く) 第10回 文の作り方C(助詞「ンカイ」と「ニ」の使い分け、動詞の語尾変化B志向形・勧誘表現【第4課】) ([準備]教科書の第3課、9回目のプリントを読み込み、動詞の語尾変化A、係り結び@を理解し、 練習問題を解く) 第11回 文の作り方D(疑問文の作り方@、「ッシ」と「サーニ」【第4課】)、指小辞「グヮー」の使い方 ([準備]教科書の第4課、10回目のプリントを読み込み、助詞「ンカイ」と「ニ」の使い分け、動詞の語尾 変化Bを理解し、練習問題を解く) 第12回 ゲストB:インタビュー形式 〜琉球芸能、いま、むかし(その3)〜 ([準備]これまで授業で身につけた琉球語を振り返り、ゲスト講師の談話を聞き取れるように準備する) 第13回 発音のルールC(声門閉鎖音【第5課】)、文の作り方E(「ヤン」のはたらきと丁寧形の作り方【第5課】) ([準備]教科書の第4課、11回目のプリントを読み込み、疑問文の作り方@と「ッシ」と「サーニ」の使い 方を理解し、練習問題を解く) 第14回 文の作り方F(形容詞の語尾変化A丁寧形、動詞の語尾変化C連用形・尾略形【第5課】) ([準備]教科書の第4課、13回目のプリントを読み込み、声門閉鎖音の特徴と「ヤン」の働き、丁寧語の 作り方を理解し、練習問題を解く) 第15回 第15回 定期試験/解説・まとめ ([準備]教科書の第1〜5課、第1〜14回目のプリントを読み込み、これまでのふりかえりをする) |
■履修上の留意点(授業以外の学習方法を含む) |
「沖縄語」をマスターする語学の講義だが、全学教育センターの語学の講義に比べ、講義数を確保することが難しいため、受講したその日か翌日までに必ず事後学習を行うこと(30分〜1時間程度)。事後学習では教科書や講義内で使用したプリントを読み返して内容を理解した上で、再度練習問題などを解き直すとよい。また、講義前にシラバスを確認し、前週に使用したプリント、教科書の該当部分に目を通し、記憶の上書きをするとともに、教科書の該当箇所に目を通し、その週に行う講義内容の概略を把握しておくとよい(15〜30分程度)。そうすれば講義内容をかなり理解できるようになる。また、教科書に付属されたCDの音声を聞いて、スキットの発音練習なども行うとリーディングやリスニングの力も伸ばすことができる。 ※配付された資料は毎回ファイリングし、常に持参しておくこと。講義中に過去のプリントを使用することもある。 |
■成績評価の方法・基準 |
【方法】 15回に定期試験を実施する(70%)。また、授業中のとりくみ(スキットのリーディングなど)も評価に加える(15%)。さらに毎回の講義終了時に提出する「コメントシート」の記述内容も評価に加える(15%)。この3つにより評価を行う。 |
【基準】 到達目標を観点として、履修規程に定める「授業科目の成績評価基準」に則り評価する。 |
■教科書・参考文献(資料)等 |
□教科書 西岡敏・仲原穣[著] 中島由美・伊狩典子[協力] 2006[2000]年 『沖縄語の入門(CD付改訂版)―たのしいウチナーグチ―』(白水社) |
□テキスト |
□参考文献 国立国語研究所 編 1963年 『沖縄語辞典』(大蔵省印刷局) ※その他の文献は講義で紹介する。 |