沖縄県立芸術大学
音楽部&大学院(修士課程)音楽芸術科 シラバス

科目名:  音楽美学概論

科目区分:  各専攻共通科目

科目コード 授業科目名 単位数 学期 授業区分
(51187)・52205 音楽美学概論 2 集中講義
(2月予定)
講義
受講年次 担当教員名
音楽文化専攻1〜4年次、音楽表現専攻2〜4年次 旧:全専攻1〜4年次 澁谷政子、(c)倉橋玲子
■授業概要
音楽を感じとること、それは、音と人の意識との相互作用であり、音の配列から音以外の対象やイメージが喚起されることだと言えるでしょう。音楽の構成法とイメージとの結びつき方は時代や文化により異なっており、そうした多様な感性の論理を解明しようとするのが「音楽美学」です。この講義では、西欧芸術音楽(バロック〜20世紀)を主な対象として、様々な楽曲が人間の想像力とどのように結びついているかを考察します。また、その背景となる哲学、社会情勢、他芸術との関連についても論じます。
■学習目標
・音楽作品の意味が音楽構造と人の意識作用との関わりから生まれることを理解する。
・音楽と他芸術や思想・社会との多様な関わり方を知る。
・音楽作品についての自分の解釈について、説得力をもって記述することができる。
■授業計画・方法
1. 導入 音楽があらわすもの/形式美学と感情美学/音とメタファー(1コマ)
2. 「運動@」反復と変化
3. 「運動A」リズムのエネルギー
4. 「構造と物語@」組み立てること
5. 「構造と物語A」動機労作とソナタ形式1
6. 「構造と物語B」動機労作とソナタ形式2
7. 「構造と物語C」調性音楽の深層構造 
8. 「心と自我@」感情の記号
9. 「心と自我A」ロマン主義
10. 「心と自我B」表現主義
11. 「身振りと表情@」音の質感と効果
12. 「身振りと表情A」印象主義と象徴主義1
13. 「身振りと表情B」印象主義と象徴主義2
14. 「時間@」物語の解体
15. 「時間A」展開しない時間
■履修上の留意点(授業以外の学習方法を含む)
・基本的な楽曲形式および機能和声に関する知識を前提とします。
・講義形式。適宜、楽譜や音源を使って音楽作品を参照します。簡単な楽曲分析を課したり、コメントを求めることがあるので、積極的に参加してください。
・下記に示した参考文献等により、20世紀音楽を含む西洋音楽史の流れをあらかじめ予習しておいてください。
■成績評価の方法・基準
・平常点40%、授業期間中の小課題20%、最終レポート40%
・構造分析と美学的視点の両方から音楽作品にアプローチすることができるか。
・音楽を社会的・思想的背景のなかに位置づけることをとおして、作品解釈を深めることができるか。
・上記2点から得られた自分の解釈を論理的に記述することができるか。
■教科書・参考文献(作品)等
教科書
なし
参考文献(作品)
片桐功ほか 2009 『増補改訂版 はじめての音楽史:古代ギリシアの音楽から日本の現代音楽まで』 音楽之友社
高橋浩子ほか 1996 『西洋音楽の歴史』 東京書籍
ポール・グリフィス 1984 『現代音楽小史:ドビュッシーからブーレーズまで』 石田一志訳 音楽之友社
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