嘉手川 愛子

2016絵画専攻 空間表現内覧会


私はどこにいるのか



最も肝心なのは「私がいる」という感覚である。

「私がいるとしか思えない場所に私はある」ということ、そしてその

場合、私の在り処が「私の脳とからだ」以外の場所に生じることも場合

によっては可能である。



黒い板に反射した自分自身の像は、鏡と見え方が異なる。

鏡は実際に見ている景色を反転させるのに対して、これは見たままを映して

いる。

ドッペルゲンガーの出現によって私の存在は不確かなものになる。



浮遊感 虚無感 絶望 孤独感

感じてはいけない。口を閉ざすべきである。

幸福な国、幸福な時代に生きる私は当然、幸せでなくてはならない。