沖縄県立芸術大学
音楽部&大学院(修士課程)音楽芸術研究科 シラバス

科目コード 授業科目名 単位数 学期 授業区分
51292 琉球語U 2 後期 演習
受講年次 担当教員名
琉球芸能専攻2〜4年次 仲原 穣
■テーマ
 琉球語を聞く能力を上げ、琉球語を話せるようになろう!
■授業の概要
 世界的に「言語」として認定された奄美・沖縄の伝統的な言語の総称を「琉球語」という。「琉球芸能」で使用されることばも琉球語である。ちなみに、琉歌・組踊のことばは「古典琉球語」などと呼ばれている。首里は琉球国の首都であった土地であり、首里で用いられていた言語は、少なくとも15世紀中期以降、「琉球国」の中央語である(「中央語」は国の政治や文化の中心地で使われることば)。
 本講義では、「琉球語T」で身につけた首里方言の会話のルールをベースにし、単文を組み合わせた複文の作り方や丁寧語や謙譲語、尊敬語などの敬体によるコミュニケーションの方法を学ぶ。また、読みの練習も積極的に行い、教科書の長めのスキットもすらすらと読める力をつけてほしい。また、講義終了時には、思考した内容をウチナーグチに翻訳し、人前で発表する訓練の実践も行う。
■到達目標
1.首里方言などの沖縄語で話された高年層の会話を7割以上聞きことができる。
  (単語、句、文をはじめ、高年層〔ゲスト〕の話す談話の内容をある程度理解できるようになる)
2.自分の意見や考えを沖縄語で表現し、人前で話せるようになる。
3.長いスキットもすらすらと読むことができる。
4.音のルールや文や句をつくるルールを身につけ、単文だけでなく、長い複文を作ることができるようになる。
5.敬体でコミュニケーションがある程度はとれるようになる。
■授業計画・方法
第1回 講義概要、琉球語Tのふりかえり
([準備]教科書の第1〜5課、「琉球語T」の1〜14回目のポイントを復習し、知識の再確認を行う)
第2回 文の作り方G(動詞の語尾変化Dテ形、依頼表現、過去形・継続形【第6課】)
([準備]教科書の第5課、「琉球語T」の14〜15回目のプリントを読み込み、内容を確認する)
第3回 文の作り方H(形容詞の語尾変化B過去形、ナ形容詞の特徴【第6課】)
([準備]教科書の第6課、第2回目のプリントを読み込み、動詞の語尾変化Dを理解し、練習問題を解く)
第4回 文の作り方I(動詞の語尾変化E丁寧形・継続形の丁寧形、「クトゥ」と「シガ」で複文を作る【第7課】)
([準備] 教科書の第7課、3回目のプリントを読み込み、形容詞の語尾変化Bとナ形容詞の特徴を理解し、
練習問題を解く)
第5回 ゲスト@:インタビュー形式 〜琉球芸能、いま、むかし(その1)〜
([準備]これまで授業で身につけた琉球語を振り返り、ゲスト講師の談話を聞き取れるように準備する)
第6回 文の作り方J(条件文【第7課】/規則変化と不規則変化【第8課】〜「動詞のまとめ」を含む―)
([準備]教科書の第7課、4回目のプリントを読み込み、動詞の語尾変化Eと複文の作り方を理解し、練習問題を解く)
第7回 文の作り方K(動詞の語尾変化F継続・過去形、シヨッタ形、義務表現/助詞「ウゥティ」【第8課】))
([準備]教科書の第8課、6回目のプリントを読み込み、不規則動詞の特徴を理解し、練習問題を解く)
第8回 単語を覚えよう!(親族語彙―親族名称と親族呼称の違いなど―、「〜の」の言い方【第9課】)
([準備]教科書の第8課、7回目のプリントを読み込み、動詞の語尾変化F、助詞「ウゥティ」を理解し、練習問題を解く)
第9回 ゲストA:インタビュー形式 〜琉球芸能、いま、むかし(その2)〜
([準備]これまで授業で身につけた琉球語を振り返り、ゲスト講師の談話を聞き取れるように準備する)
第10回 文の作り方L(否定的な表現の特徴/動詞の語尾変化G「〜ガ」「〜シーネー」、受身と使役(【第10課】)
([準備]教科書の第9課、8回目のプリントを読み込み、親族語彙と「〜の」の言い方を理解し、問題を解く)
第11回 文の作り方M(動詞の語尾変化H推量形と「〜ガ」の呼応〈係り結びA〉、その他の助動詞【第10課】)
([準備]教科書の第10課、10回目のプリントを読み込み、否定的な表現、動詞の語尾変化G、その他の助動詞を理解し、問題を解く)
第12回 文の作り方N(動詞の語尾変化I尊敬語、助詞「〜カイ」「〜カラ」【第11課】)
([準備]教科書の第10課、11回目のプリントを読み込み、動詞の語尾変化Hと係り結びA、助動詞を理解し、問題を解く)
第13回 ゲストB:インタビュー形式 〜琉球芸能、いま、むかし(その3)〜
([準備]これまで授業で身につけた琉球語を振り返り、ゲスト講師の談話を聞き取れるように準備する)
第14回 文の作り方O(動詞の語尾変化J謙譲語、「デービル」「〜してしまった」の使い方、ワーとワン【第12課】)
([準備]教科書の第11課を読み込み、動詞の語尾変化I尊敬語、助詞「カイ」「カラ」を理解し、練習を解く)
第15回 定期試験/解説・まとめ
([準備]教科書の第6〜12課、1〜14回目のプリントを読み込み、知識の再認識を行う)
■履修上の留意点(授業以外の学習方法を含む)
 語学をマスターする講義だが他の語学に比べて講義数が少ないため、講義前にシラバスを確認し、前週に使用したプリント、教科書の該当部分に目を通し、前週の知識に上書きするとともに、教科書の該当箇所に目を通し、その週に行う講義の概略を把握しておくと講義内容を理解できるようになる。また、前週の講義中に課された練習問題を解き、スキットなどの読みの練習なども行うとより理解が深まる。
※配付された資料はその都度ファイリングし、毎回持参していると講義の際の振り返りなどに活用できる。
■成績評価の方法・基準
【方法】
 15回に定期試験を実施する(70%)。また、授業中のとりくみ(スキットのリーディングなど)も評価に加える(10%)。さらに毎回の講義終了時にウチナーグチでコメントをまとめて記述してもらう「リアクションペーパー」の提出も得点に加える(20%)。この3点で評価を行う。
【基準】 到達目標を観点として、履修規程に定める「授業科目の成績評価基準」に則り評価する。
■教科書・参考文献(資料)等
教科書
 西岡敏・仲原穣[著] 中島由美・伊狩典子[協力] 2006[2000]年
 『沖縄語の入門(CD付改訂版)―たのしいウチナーグチ―』(白水社)
テキスト
参考文献
 国立国語研究所 編 1963年 『沖縄語辞典』(大蔵省印刷局)  ※その他の文献は講義で紹介する。
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