沖縄県立芸術大学
音楽部&大学院(修士課程)音楽芸術研究科 シラバス

科目コード 授業科目名 単位数 学期 授業区分
80552-01 琉球音楽論研究(a) 通年 講義
受講年次 担当教員名
音楽学専修1〜2年次 遠藤美奈
■テーマ
地域で紡がれる歌や踊りを現場で考える
■授業の概要
沖縄の各地域に伝わる歌や踊りを通して、より多面的に研究する授業である。
民族音楽学の研究手法の一つとして用いられるフィールドワークの技法を学ぶ。フィールドワークとは、調査を行いたい祭事・祭祀当日等に立ち会うことではない。授業では、調査を行うための準備やその心構えといった調査前の段階から、現地調査で得られた媒体を研究資料として活用・管理・残すための方法といった調査後の一連の過程についても考える。調査の過程では、生活している人々の日常に踏み込んでいくことが多く、とりわけ録音や録画技術とともに、人々とのコミュニケーションやモラルを身につけることが求められる。伝承者とのコミュニケーションを通して、現在に息づく民俗音楽の現場を深く知るとともに、琉球音楽への理解を深める。
■到達目標
・授業で習得した知識や技術を使って、適切にフィールドワークを実施できるようになること。
・得られた情報、録音、録画を適切に整理して、良質な報告書が作成できること。
・フィールドワーク及びデスクワークを率先して行い、共同作業の中でリーダーシップを発揮できること。
・伝承が行われている現場について社会的な背景を踏まえた自己の見方を持つこと。
■授業計画・方法
1.オリエンテーション:これまでの調査例、民謡等の調査研究史
2.フィールドワークのモラル
3.後悔しないための録音・録画術
4.後悔しないための撮影術
5.インタビュー技術
6.情報収集の方法
7.調査対象の選定と対象芸能を学ぶ
8.出かける前の準備とデータ整理
9.歌詞聞き取りと採譜の方法
10.採譜の校閲とは
11から15.フィールドワークの実践
事前調査(7月頃予定) 調査(8月から9月頃予定)

16.整理@ 調査の振り返り
17.整理A 録音・録画のコピー作成と録音台帳の作成
18. 整理B 録音台帳の点検、採譜の方法、分担決定
19. 分析@ 採譜の点検(速度、調等の検証)
20. 分析A 採譜の再点検
21. 考察@ 客観性のある採譜とは何か考える
22. 考察A 映像で「記録」するということを考える
23. 考察B 「保存会」の諸問題
24. 考察C 誰が担い手なのか/なるのか継承について考える⑴
25. 考察D 誰が担い手なのか/なるのか継承について考える⑵
26から28. 補充調査
29. 整理C 補充調査の整理
30. まとめ 報告(プレゼンテーション)
■履修上の留意点(授業以外の学習方法を含む)
・前期は音楽学部音楽文化専攻の「フィールドワーク演習AB」と合同で行うもので、大学院生には共同作業におけるリーダーシップを求める。また、舞台芸術専攻のほか、造形芸術研究科の学生も履修可能なので、それぞれの専修や学年の能力に応じた役割分担をこなすことが評価の焦点となる。
・教室内での授業以外に、フィールドワークを実施する。これに伴い授業の数回分をこれに充てるので、必ず参加すること。また、芸能の内容、調査地域によっては帰宅が深夜に及ぶこともある。ただし、日程等は受講者の都合も含めて相談して決める。
■成績評価の方法・基準
【方法】
前期終了時の調査報告:30%
後期終了時の調査報告:50%
予習課題等の取組や実践:20%
【基準】 到達目標を観点として、履修規程に定める「授業科目の成績評価基準」に則り評価する。
■教科書・参考文献(資料)等
教科書
教員の指示による。
テキスト
教員の指示による。
参考文献
教員の指示による。
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