沖縄県立芸術大学
音楽部&大学院(修士課程)音楽芸術研究科 シラバス

科目コード 授業科目名 単位数 学期 授業区分
80554 琉球楽劇論研究 4 通年 講義
受講年次 担当教員名
舞台芸術専攻(琉球古典音楽専修・琉球舞踊組踊専修)・音楽学専攻(音楽学専修)1〜2年次(今年度開講せず) 鈴木耕太
■テーマ
 琉球の楽劇である組踊を総合的に考える。
■授業の概要
 琉球芸能の中から、おもに組踊について総合的に学習する。琉球芸能史の中から組踊上演以前の芸能の歴史、組踊の上演された歴史(概説)を踏まえたうえで、組踊に影響を与えた芸能・文学を検討する。そして、組踊という芸能のもつ表現や約束事、様式などを、歴史資料と組踊の詞章を通して学習する。
■到達目標
・近世における組踊の上演史を理解することができる。
・近世における組踊上演の空間を把握することができる。
・組踊の詞章について読解するすることができ、逐語訳・意訳・鑑賞することができる。
■授業計画・方法
必要に応じてパソコンによるプレゼンテーション、板書、音楽、映像、その他様々な資料を利用して講義を進める。
1.冊封使録関係資料にみえる、組踊誕生前の冊封芸能史について
2.組踊上演の歴史について・現存する組踊についての概説
3.「執心鐘入」の詞章分析『琉球戯曲集』53〜61頁
4.「執心鐘入」の詞章分析『琉球戯曲集』62〜69頁
5.「執心鐘入」の詞章分析『琉球戯曲集』69〜76頁
6.「執心鐘入」の詞章分析『琉球戯曲集』76〜88頁
7.「執心鐘入」の詞章分析のまとめ
8.組踊の仇討物とジャンルについて
9.「二童敵討」の詞章分析『琉球戯曲集』22〜30頁
10.「二童敵討」の詞章分析『琉球戯曲集』31〜40頁
11.「二童敵討」の詞章分析『琉球戯曲集』40〜50頁
12.「二童敵討」の詞章分析のまとめ
13.玉城朝薫の組踊と田里朝直の組踊の詞章ついて
14.田里朝直以降の組踊の詞章について
15.前期の解説・まとめ(これまでの補足)
定期試験は実施しない。

16.近世における御冠船芸能の舞台空間
17.近世における衣裳について
18.「執心鐘入」の演出研究T
19.「執心鐘入」の演出研究U
20.「二童敵討」の演出研究
21.「銘苅子」の演出研究
22.田里朝直作品の演出研究
23.「大川敵討」の演出研究
24.組踊と音曲T
25.組踊と音曲U
26.「執心鐘入」演出の違い(琉球政府時代)
27.「執心鐘入」演出の違い(2010年代)
29.組踊の創作・新作について
30.後期の解説・まとめ(これまでの補足)
定期試験は実施しない。
■履修上の留意点(授業以外の学習方法を含む)
 履修にあたって、組踊の台本をあらかじめ音読できるようにしておくことが望ましい。予習として折口信夫の論文「組踊り以前」(『校注 琉球戯曲集』所収)を読んでおくこと。また、『校注 琉球戯曲集』所収の「執心鐘入」「護佐丸敵討」を読んでおくこと。
■成績評価の方法・基準
【方法】
 期末課題(60%)、講義への参加度(講義内での発言、リアクションペーパー、小課題など)(40%)で評価する。
【基準】 到達目標を観点として、履修規程に定める「授業科目の成績評価基準」に則り評価する。
■教科書・参考文献(資料)等
教科書
なし。講義用レジュメや資料を配布する。
テキスト
なし。講義用レジュメや資料を配布する。
参考文献
伊波普猷『校注 琉球戯曲集』(榕樹書林1992年)国立劇場おきなわ編『琉球・沖縄芸能史年表』(古琉球〜近代編)(国立劇場おきなわ2010年)矢野輝雄『組踊への招待』(琉球新報社2001年)矢野輝雄『組踊を聴く』(瑞木書房2003年)
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