ドローイングコミュニケーション2014展によせて

DrawingCommunication 2014

田中 睦治

本学絵画専攻油画では開学28周年を迎え、カリキュラムも年々変化を遂げ今日に至っています。2008年より学部2年生以上の学生を対象に、そのスタート課題として「ドローイングコミュニケーション」と名付けた授業を始めました。この展覧会は、その授業報告としてそれぞれが制作したドローイングを持ち寄り、全体像を見渡してみるために行われまます。その目的は近年、表現手段のひとつとしてジャンルが確立されてきたドローイングワークを通して、絵画表現の拡がりを探るとともに、互いに共有できるベース(素材の応用やイメージの拡がり)を確認してみる。一年間の授業を始めるにあたってそれぞれがウォーミングアップしてみようというねらいを持っています。今回も「紙」を媒体にすることと展示の大きさのみ決めて、その表現方法は自由にそれぞれがドローイングワークに臨みました。
琉球大学教育学部 上村豊先生ほか4名、沖縄大学 阪田清子先生ほか3名、福岡教育大学教育学部 阿部守先生ほか4名、名古屋造形大学 日比野ルミ先生ほか1名、東北生活文化大学 森敏美先生ほか4名、サラエボファインアートアカデミー カブラヌカペタノウィチ ヤスミナ先生ほか2名の協力参加をいただき、本学の学生、教員を合わせ総勢61名のドローイング作品を展示しております。交流を重ねることで互いにそれぞれの状況や環境を理解し、刺激として表現を高めあうことができればと考えています。






第1展示室

第1展示室

第1展示室

第1展示室

第1展示室

第1展示室

第2展示室

第2展示室

第2展示室

第3展示室

第3展示室

第3展示室



ギャラリートーク報告

企画担当教員 田中睦治

  • ギャラリートークは5月16日(金)午後1時から始まりました。昨年と進行が変わり、大学院の学生が司会進行をするのではなく、それぞれの学年担当教員や各大学の引率教員が、学生の紹介を兼ねて司会進行をしました。尚、参加の出来なかった県外や外国の大学の作品は、企画担当の田中がその大学の紹介を兼ねて解説を行いました。
  • 一人、約3分程度の自己作品紹介に、学生の方は戸惑っていたかもしれません。が、慣れて来ると自身の引っ掛かっているテーマのことや、イメージの持ち方、ドローイングそのものの捉え方、素材への興味等、様々な言葉が発せられ飛び交いました。それに対する寸評は、主に他大学の教員から伺うことになり、それも学生にはいい刺激になったようです。特にご協力をして下さった琉球大学の上村豊先生、仲間伸恵先生、沖縄大学の阪田清子先生にはこの場を借りてお礼を申し上げます。
  • さて、本展覧会も7回目となると、ドローイングの意味づけや、その必要性、可能性を改めて問う時期に来ていると思われます。各大学の選抜作品の比較を通じても、地域によって、また各々のモチベーションの違いによっても作品の意味合いが違って感じられます。
  • 絵画専攻・油画の前教授、宮城明先生は、2009年のシラバスで、何故ドローイングか?という設問に対して、「己の内側から立ち上がってくる未だ輪郭を持たない物に形を与え、創造の源泉を他者にもその存在を感知させ、ライブ感覚で視覚化することにある。」また、「複雑にして多様な現代美術において、独自の表現と方法を獲得し認識していくための「感性」をトレーニングすることにある。」と明快に述べられています。私たち教員は、ドローイングという表現行為を原点、出発点に据え、大学間や地域の垣根を越えて活きづく「空間」を共に語り、絵画表現の可能性を提示し合いながら、前に進んでいくことを願っています。

ドローイングコミュニケーション2014 ギャラリートーク:2014年5月16日(金)13:00〜
今回は沖縄県立芸術大学絵画専攻、琉球大学、沖縄大学の学生・教員、学生も加わり、約40~50名が参加しました。

展示作品

展示室ごとに作品を紹介します。

第1展示室

東北生活文化大学、名古屋造形大学、福岡教育大学、琉球大学、沖縄大学、沖縄県立芸大学部2年・3年の作品を展示。

第1展示室LinkIcon

第2展示室

サラエボ大学、沖縄県立芸術大学・学部4年・院生・研究生・教員の作品を展示。

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第3展示室

沖縄県立芸大学部2年・3年・4年・院生・教員の作品を展示。

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