![[写真]芸術文化学研究科 研究科長 波平 八郎](https://www.okigei.ac.jp/wp-content/uploads/2018/04/general_namihira.jpg)
芸術文化学研究科 研究科長 波平 八郎
芸術文化学研究科は、自立して研究活動を行うことができる高度の能力を有する研究者を養成して、芸術文化の発展に寄与することを目的とします。その目的を実現するために、実技との結びつきを重視した高度な理論と応用の教授、研究を行います。
実技と理論の結びつきを重視すると、その相乗効果で独創的な表現が生まれることがよくあります。そういう独創的なアーティストの一人が世阿弥です。世阿弥は室町時代の能役者、能作者、演劇の理論家、演出家、作曲家として今日の舞台芸術にも大きな影響を与えています。世阿弥は美しさやおもしろさを生みだす能の理論を非常に多く書き残しています。たとえば、能の美しさの中核を「花」にたとえて、常に変化している表現が「花」で、変化がないのは停滞していることだ、として次のように述べています。
能も住する所なきを、まづ花と知るべし。(『風姿花伝』「第七別紙口伝」)
「住する所」(停滞)があってはならない、変化こそが「花」であるという理論です。
このように、世阿弥は能役者としての実技と能作者としての理論を結びつけて高度な応用を行っていました。本学の博士課程(後期)で研究活動をスタートする皆さんも、世阿弥のように実技と理論を結びつけた研究活動になると思います。そしてそれは世阿弥と同じく、生涯を通しての研究活動になるでしょう。
命には終りあり。能には果てあるべからず。(『花鏡』「奥段」)
