音楽学コースが行う行事や音楽学コースの教員が関係する特別講義などの簡単な報告を掲載しています。
今年度最初の音楽文化専攻合同実習では、学部生1名と教員の向井大策の発表が行われました。
学部生2名、大学院生1名による、卒業論文・修士論文の中間発表会が行われました。 それぞれ執筆中の論文の一部を発表し、発表後には質疑・応答が行われました。発表者にとっては執筆の参考となるさまざまな意見が出され、下級生にとっては論文のテーマ設定や進め方の参考になりました。
第3回の音楽学合同実習は、「最前線のはなし」と題して、塚田花恵助教、高瀬澄子准教授、金城厚教授が発表を行い、各自が現在取り組んでいる研究を紹介しました。
塚田は、「第三共和政フランスの音楽史学とカノン形成――ブリュノーとコンバリューによる共和主義の音楽史とベルリオーズ評価」というタイトルで、来年3月に開催される国際音楽学会で発表する予定の内容を報告しました。
発表では2人の歴史家を取り上げて、ナショナリズムが高揚した19世紀のフランスにおいて、フランス音楽の本質とその発展の歴史がどのように語られたのかについて、説明を行いました。
高瀬は、「「恩徳院の律管」の行方」というタイトルで、研究史と現在の研究状況について、報告を行いました。
「恩徳院の律管」とは、室町時代に京都の恩徳院(大通寺)で詮芸等が製作したと伝えられる一連の調律具です。研究史では、林謙三の研究が紹介されました。現在の研究状況では、国立歴史民俗博物館の展示プロジェクトが紹介され、その後、現存状況や来歴について調査していることが説明されました。
金城は、「琉歌の起源に関する音楽学的考察」というタイトルで、6月に沖縄文化協会で行った研究発表について、紹介しました。
内容は、琉歌形式の起源を本土の小歌形式に求める文学研究の一部の説に対して、歌の実践を研究してきた音楽学の立場から反論を試みるものでした。沖縄音楽の基本構造の分析から、小歌を変形させて琉歌を作ることは不可能であり、琉歌は琉球古来の歌謡全般との関係で形成されたという説が提示されました。
平成28年度第1回音楽学合同実習は「テーマとの出会い」と題して、教員の高瀬澄子、小西潤子、金城厚が発表を行いました。
研究テーマとの出会いから卒論・修論・博論への展開、そして現在の取り組みがどのようにつながっているかという内容でした。
卒論や修論のテーマ選びの参考になる話に、学生は熱心に耳を傾けました。
平成27年度の修士論文・卒業論文発表会が、芸術学専攻と合同で行われました。
音楽学コースの発表者は、沖縄芝居や沖縄の獅子舞という沖縄の音楽文化をはじめ、日本の宮内省楽師の活動、ジャワ、韓国、台湾の音楽・舞踊といった、アジア各地における多様なジャンルを取り上げました。
活発な質疑応答も交わされ、有意義なひとときとなりました。
第2回の音楽学合同実習は、前回に引き続き「テーマとの出会い」と題して、塚田花恵助教、花城洋子教授、谷本裕教授が発表をしました。内容は、これまでの研究のエピソードを交えながら、卒論・修論を執筆することの意義、対象へのさまざまなアプローチの方法、課題の発見と解決に至るプロセスなどについてでした。 その後、学部4年生と修士2年生を対象に、卒論・修論ガイダンスが行われました。
学部3年生3名、修士1年生1名による発表が行われました。これまで1年間取り組んできた内容を発表し、発表後には学生教員を交えた質疑応答が行われました。来年度の卒業論文、修士論文提出に向けて、今後の研究の方向性や、課題への取り組みについて考えました。
学部生5名、大学院生1名による、卒業論文・修士論文の中間発表会が行われました。現在、執筆中の論文の一部を中心に、今後の執筆の予定などを発表しました。発表者はそれぞれ緊張した面持ちで発表を行い、発表後の質疑応答では、今後の課題を確認しました。
今年度二回目の音楽学合同実習では、「音楽とお金」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。
金城は、古典音楽・民俗音楽・大衆音楽の区分について説明し、音楽の伝承(教習)において常態として経済的付加価値を生むかどうかが古典音楽・大衆音楽と民俗音楽との区分の決め手になっている、という見解を示しました。高瀬は、「楽人たちの懐事情 ―江戸時代の三方楽所―」と題して、京都方・南都方(奈良)・天王寺方(大阪)の楽人たちによる三方楽所の収入や、三方及第という試験制度について紹介しました。会場からは、現代の演奏家との比較についての質問などがありました。普段気になるが聞きづらいという「お金」というキーワードから幅広い議論が交わされ、充実した内容となりました。
今年度最初の音楽学合同実習では、学部生1名と教員の高瀬澄子の発表が行われました。
高瀬は、2014年4月から9月まで、台湾の国立台北芸術大学音楽学院伝統音楽学系で長期研修を行い、その間に見聞きした様々な伝統音楽や民俗芸能について、写真やDVDを用いて紹介しました。中国文化と日本文化の特色、台湾や沖縄における同化と異化の問題などについても触れており、興味深い講演となりました。
今回発表をした学部生もまた、2014年2月から2015年1月まで、国立台北芸術大学に留学していました。国立台北芸術大学は、本学の姉妹校です。留学先で研究した台湾の先住民教育における舞踊・音楽伝承について発表し、台湾一色の合同実習となりました。
その後、学部4年生と、修士2年生を対象に、卒論・修論ガイダンスが行われました。
昨年度に続き、美術工芸学部の芸術学専攻と合同で、卒業論文・修士論文発表会が行われました。芸術学専攻の教員や学生からも、さまざまなご意見やご指摘をいただき、とても活発な質疑応答が行われました。
学部3年生5名、修士1年生1名による発表が行われました。これまで1年間取り組んできた内容を発表し、発表後には学生教員を交えた質疑応答が行われました。来年度の提出を目指す卒業論文、修士論文執筆の前段階として、今後の研究の方向性や、課題への取り組みについて考える機会となりました。
学部生3名、大学院生2名による、卒業論文・修士論文の中間発表会が行われました。現在、執筆中の論文の一部を中心に、今後の執筆の予定などを発表しました。発表者はそれぞれ緊張した面持ちで発表を行い、発表後の質疑応答では、今後の課題を確認しました。発表会終了後も、教員や他の学生からアドバイスをもらう姿が見られ、論文の執筆を進めるための新たな手掛かりとなりました。
石橋純先生(東京大学教養学部准教授)と、日本で唯一の学生ベネズエラ音楽合奏団エストゥディアンティーナ駒場によるレクチャーコンサート「ベネズエラの音楽と文化」が開催されました。
学生や教員だけでなく、東洋音楽学会の会員や一般の方の来場があり、南米ベネズエラの音楽の演奏と、その背景についての講演を聴講しました。
また参加者が演奏に合わせリズムを刻んだり、コーラスに参加したりするなど、滅多に聴く機会の無いベネズエラ音楽を体験する貴重な機会となりました。
学部4年生を対象に卒論相談会が行われました。学生は卒業論文執筆の計画や進行状況を持ち込み、音楽学専攻教員の助言を受けました。普段の授業では担当教員との個人指導が中心ですが、卒論相談会では、様々な分野を専門とする教員の助言を聞くことで、より卒業論文を良いものにしようという目的があります。
学生が抱える、章構成や用語の使い方、タイトル、どのように論文の目的を設定し、そのためのプロセスを考えるかなどの、たくさんの課題に対し、教員からの助言は卒業論文執筆の大きな励みとなりました。
今回は教員の倉橋玲子と小西潤子が発表を行いました。
倉橋はバリアフリーに関する用語、日本の音楽ホールにおけるバリアフリーの現状や、諸外国との当事者の意識の違いを紹介し、日本の音楽ホールでは細かな点を考えるとバリアフルな場合も多く、ソフト面での個々の人への対応が必要だという発表は、教職を目指す学生だけでなく、多くの学生が日常の生活を考えるきっかけとなりました。
小西はミクロネシアで歌われている日本語や日本の流行歌を参照して創作された歌について、創作の背景や自身の研究について発表しました。普段あまり聴く機会の無いミクロネシアの歌や、それらが歌われる背景、また小西の研究方法についてなどの発表は学生にとって新たな刺激となりました。
今回は教員の金城厚と、今年度から新しく音楽学コースの教員に加わった花城洋子が発表を行いました。
金城は音楽の「リズムのゆらぎ」「テンポのゆらぎ」をどう捉えるかという課題に、サウンドファイルを使った演奏研究を紹介しました。例として石垣市白保の民謡を分析したデータを示し、感覚的にしか捉えられなかったリズムを測定することで、実証的な議論ができるようになる、という発表でした。
花城は舞踊研究の前段階として、動きをみる視点、解剖学的視点からの"身体"について紹介しました。伝統芸能の保存の際にも、これらの客観的視点からのデータは、変わっていくものと、変わってはいけないものの判断に役立つことができるという話や、身体の意識化やパフォーマンス化など学生にとって新たなキーワードを得る時間となりました。
ヘーゴダ・プレマダーサ先生(インド古典音楽演奏家)によるインド古典音楽の公開授業が行われ、音楽学の学生だけでなく、多くの学生、教員が聴講し、インド古典音楽に触れました。内容は「シタール演奏と声楽曲について」で、シタールなどの楽器、声楽の演奏に耳をかたむけるだけでなく、先生の演奏と一緒にリズムを刻んでみたり、声楽曲の採譜に挑戦したりと、インド古典音楽に触れる貴重な機会となりました。
音楽学合同実習今年度最初の音楽学合同実習では、新たに助教に就任した塚田花恵が「19世紀フランスとショパン」というタイトルで発表を行いました。塚田がこれまでに書いてきた論文や研究の方法の話、これから論文を執筆する学生へのアドバイスなど、学生にとって大変興味深い内容となりました。その後、学部4年生と、修士2年生を対象に、卒論・修論ガイダンスが行われ、今年度論文を書く学生は決意を新たにしました。
学部生2名、大学院生1名による、卒業論文・修士論文の発表会が行われました。
今年度は、初めての試みとして、卒論・修論発表会を美術工芸学部の芸術学専攻と合同で行いました。芸術学専攻の先生方や学生の方々、またご来聴の皆様から、たくさんの有益なご意見やご指摘をいただきました。どうもありがとうございました。
学生3名、大学院生2名による発表が行われました。それぞれ、この1年間に研究してきた内容を発表し、発表後には質疑・応答が行われました。
学部生2名、大学院生1名による、卒業論文・修士論文の中間発表会が行われました。それぞれ執筆中の論文の一部を発表し、発表後には質疑・応答が行われました。
助教の上山典子と附属研究所教員の久万田晋が発表しました。上山は、「英語圏・独語圏の『音楽事典』を読む」という題で、事典を読む面白さについて語りました。久万田は、「チョンダラーの足跡を辿る ―琉球芸能史のミッシング・リンク―」という題で、謎の多いチョンダラーの歴史と現在について話しました。
「隋代の音楽家 万宝常」という題で、教員の高瀬澄子が発表しました。中国の史書に登場する、あまり脚光を浴びることのなかった音楽家についての話でした。
「隋代の音楽家 万宝常」
中国の隋の時代、万宝常という音楽家がいました。彼は世に容れられず、ついには自分の著作を焼き捨てて餓死してしまったということです。しかし、郭沫若という学者は、万宝常の業績を高く評価する論文を書きました。隋の開皇年間、宮廷で音楽に関する議論が行われ、八十四調の理論が成立しましたが、その真の創案者はじつは万宝常だというものです。万宝常や八十四調の成立をめぐる史書の記述をみると、正統的とされる中国の雅楽も明らかに異文化の影響を受けていることがわかります。(高瀬澄子)
博士課程学生の増井愛華と教員の金城厚が発表を行いました。増井は、「近代沖縄における唱歌教育の実態」という題で、修士論文の成果について紹介しました。金城は、「その歌はわらべ歌ですか?」という題で、これまでのフィールドワークの映像を紹介しながら、わらべ歌とは何かについて話しました。
「その歌はわらべ歌ですか?」
わらべ歌は「お年寄りが覚えている昔の歌」ではありません。今も子供たちは縄跳びやお手合わせをしながら、また悪ふざけをしながら歌を歌っています。中には日本語のイントネーションから自然に生まれた旋律もありますが、テレビから流れる歌の替え歌も盛んです。重要なことは、歌そのものが遊び道具であり、子供たちが勝手に(創造的に)歌い崩していること、子供どうしの遊びの世界で、何十年にもわたって歌い継がれている「子供の文化」なのだということです。(金城厚)
今年度から、音楽学コース教員に新しく小西潤子が加わりました。4月の合同実習では、「自己との再会 ―フィールドノートに記された昔と今―」という題で、小西がこれまでのミクロネシア(旧南洋諸島)における研究の軌跡とフィールドワークについて話しました。その後、学部4年生と修士2年生を対象に、卒論・修論ガイダンスが行われました。
今年度の音楽学コース卒論・修論発表会では、学部生4名、大学院生1名、計5名の学生が発表を行いました。音楽学コースの学生や先生方はもちろん、卒業生や他専攻の学生も参加してくださり活気あるひと時となりました。
年明け最初の合同実習は、学部3年生と修士1年生による発表が行われました。
3名がそれぞれの研究内容を発表し、その内容に関する質疑・応答が行われました。
今回の合同実習では、音楽学コース教員による資料探し・資料集めの方法の紹介が行われました。
それぞれ研究分野の異なる先生方の話を聞き、学生も多くのことを学べたようです。
今回の合同実習では、学部生4名、大学院生1名による卒論・修論の中間発表が行われました。
それぞれ執筆中の論文の一部を発表し、発表後には質疑・応答が行われました。
【 発表タイトル 】
●学部生
・早川孝太郎の活動からみる「三信遠」地域概念と民俗芸能研究の広まり
―「三信遠」地域概念形成の萌芽―
・王府オモロの旋律の規則性や歌詞の内容から考えられること
・《夕霧七年忌》からみる遊女夕霧太夫
・村上水軍の「軍楽」についての考察
●大学院生
・琉球の宮廷芸能と民俗芸能ウスデークとの比較研究
今回の合同実習は「バングラデュの芸能」というタイトルで、ユスフハサン先生による講演会を行いました。
多くの映像を用いながらバングラディシュの芸能について説明をしていただきました。
今年度最初の合同実習は、MOUSA(ムーサ)No.13の合評会を行いました。
MOUSAに投稿された論文ついて様々な議論が交わされ、充実した内容となりました。