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建学の理念

日本文化の中における沖縄の地域文化の特性と伝統は、極めて特徴的であり、文化伝統の源流を探り、文化生成の普遍性を究めるために不可欠の内容をもつものである。わけても沖縄固有の風土によって培われた個性的な芸術文化の継承と創造の問題は、日本文化としてはもちろんのこと、沖縄県にとっても重要な課題であるといわざるを得ない。そして、それらを担う人材の育成もまた長い未来への架橋として緊要なことである。

県立芸術大学を建学する基本的な精神は、沖縄文化が造りあげてきた個性の美と人類普遍の美を追究することにあるが、そのためには、地域文化の個性を明らかにし、その中に占める美術・工芸、音楽・芸能等さまざまな伝統芸術の問題に積極的かつ具体的に取り組み、その特性を生かすことでなければならない。このことは、日本文化の内容をより豊かにするとともに、ひいては、国際的な芸術的文化活動にも寄与するものと信ずる。

我が国の最南に位置する県立芸術大学は、東アジア、東南アジアを軸とした太平洋文化圏の中心として、それらの地域における多様な芸術文化の実態と、地域文化伝統の個性とのかかわりを明らかにし、その広がりを追究し、汎アジア的芸術文化に特色をおいたユニークな研究教育機関にしたい。

[写真]沖縄県立芸術大学外観

大学の教育研究上の目的

沖縄県立芸術大学

沖縄県立芸術大学は、広く教養を培い、深く専門芸術の技術、理論及び歴史を教授研究して、人間性と芸術的創造力及び応用力を育成し、もって伝統芸術文化と世界の芸術文化の向上発展に寄与することを目的とする。(学則第1条)

美術工芸学部

美術工芸学部は、伝統芸術文化の継承と創造的芸術の表現を専門的かつ横断的に教授研究して、優れた芸術家をはじめとする社会的に活躍できる人材を育成し、もって幅広い芸術文化の発展に貢献することを目的とする。(学則第2条の2)

音楽学部

音楽学部は、音楽・芸能に関する専門的技能及び諸理論を教授研究して、音楽・芸能の分野における知識、技術、表現力及び他者との協働により社会に対して汎用化できる能力を備えた人材を育成し、もって幅広い芸術文化の発展に貢献することを目的とする。(学則第2条の3)

沖縄県立芸術大学大学院

沖縄県立芸術大学大学院は、建学の理念に則り、高度な芸術の理論及び応用を教授研究し、その深奥を究めて芸術文化の創造及び発展に寄与することを目的とする。(大学院学則第1条)

造形芸術研究科

造形芸術研究科は、造形芸術分野における深い学識の涵養及び専門的な能力の教授研究により、社会における芸術活動に貢献し得る卓越した人材を育成し、もって造形芸術の発展に寄与することを目的とする。(大学院学則第3条の2)

音楽芸術研究科

音楽芸術研究科は、音楽芸術分野における深い学識と専門的な研究能力を培い、社会において高度に専門的な職業を担うことのできる人材を育成し、もって音楽芸術の発展に寄与することを目的とする。(大学院学則第3条の3)

芸術文化学研究科

芸術文化学研究科は、実技との結びつきを重視した芸術文化に関する高度な理論と応用の教授研究により、芸術文化についての豊かな識見及び自立して研究活動を行うに必要な高度の能力を有する研究者を養成し、もって芸術文化の発展に寄与することを目的とする。(大学院学則第3条の4)

3つのポリシー

ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

沖縄県立芸術大学では、大学及び各学部の教育理念に沿った専門教育と教養教育において成果をあげ、最終学年における卒業作品又は卒業論文の提出あるいは卒業演奏を経て、所定の卒業単位を取得した学生に対し、学士(芸術)の学位を授与します。
 その際、学生が獲得しておくべき学修成果は以下のとおりです。

  1. 美術工芸又は音楽の分野における基本的な知識を体系的に理解し、その知識体系の意味と自己の存在を歴史や文化、社会と関連付けて理解している。
  2. 知的活動や職業生活、社会生活においても必要となるコミュニケーション能力、論理的思考力、問題解決力などの汎用的基礎能力を身につけている。
  3. 卒業後も社会的責任を認識し、生涯を通じて自律的に学び続ける能力を身につけている。
  4. 1から3までの知識や能力等を総合的に活用し、創造的な思考力をもって自らの課題を探求し、解決する能力を身につけている。

カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)

沖縄県立芸術大学のカリキュラムは、ディプロマ・ポリシーに掲げる学修成果を獲得できるよう、4年間を通して全学教育科目を選択履修し、全学年にわたり専門分野の実技や理論を基礎から高度な内容まで、段階的に履修することを基本に授業科目を編成します。
その上で、さまざまな技術や学問を幅広く主体的に学べるよう配慮し、学生の多様な個性を尊重しつつ、自ら感性を磨き、社会との関係を考え発信していく能力を高める教育を行います。

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)

1.教育の理念

沖縄県立芸術大学の建学の基本的な精神は、沖縄文化が造り上げてきた個性の美と人類普遍の美を追究することにあります。これに基づき、伝統芸術の継承と発展にとどまらず、新たな芸術創造の可能性を広げ、幅広く芸術分野で活躍できる人材を育成していきます。さらに、学生の専門的力量を高め、豊かな人間性と社会性を身につける教育を目指します。

2.本学の求める人材

・本学の教育の理念をよく理解し、学習に必要な基礎的知識・技能を備えている人
・芸術に強い関心があり、自ら課題を発見し解決するための思考力や判断力、表現力を備えている人
・多様な芸術文化に興味を持ち、主体的に人々と協働し、現代社会に向けて新しい芸術創造の営みを発信していく意欲に満ちた人

3.入学者選抜区分

・本学では一般選抜、学校推薦型選抜及び社会人選抜を実施します。

4.入学者選抜試験の基本方針と実施

  • 一般選抜においては、大学及び各学部のアドミッションポリシーに基づき、大学入学共通テストの成績を利用した選抜試験と個別学力検査等(実技検査、小論文、口述試験、面接等)を実施します。なお、大学入学共通テストについて、美術工芸学部では、国語、外国語及びその他任意の1科目の合計3科目を試験科目として課します。音楽学部では、国語、外国語の合計2科目を試験科目として課します。
  • 学校推薦型選抜においては、実技検査、小論文、面接等を実施します。
  • 音楽学部の社会人選抜においては、個別学力検査等(専攻試験、小論文等)を実施します。

いずれの試験においても、本学での学習に必要な「学力の3要素(知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性等)」を測り評価します。

沖縄県立芸術大学基本計画(平成28年〜平成33年)について

沖縄県立芸術大学は、昭和61年に開学し、平成28年で30周年を迎えました。

この間、3,400余名の人材を輩出し(平成28年3月末日現在)、沖縄の豊かな芸術文化の伝統を受け継ぎながら、さらに新しい創造的芸術文化の形成及び発展を担ってきました。しかしながらこの30年間で社会は大きく変化しました。

大学を取り巻くさまざまな環境の変化に対応し、さらなる発展の道を探るため、ここでもう一度本学の建学の精神を確認しながら、また同時に時代に即応した大学のあるべき姿・存在意義を県民に示していかなければなりません。そのための取組みを今後6年間の基本計画として定めたものです。

沖縄県立芸術大学基本計画

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