学長あいさつ

沖縄は、かつて琉球王国として中国をはじめとするアジア諸国と交流しながら、これらの国々のさまざまな文化を受容し、首里城を拠点として独自の文化・芸術を創り上げてきました。

本学は、沖縄独自の歴史と風土のなかで培われた「個性の美と人類普遍の美を追究する」ことを建学の理念に掲げ、首里城の麓に1986年に開学し、美術工芸学部、音楽学部、附属研究所、大学院(修士課程、博士課程)を備える総合芸術大学です。開学から今年で32年目を迎え、これまで3600名余りの卒業生、修了生が巣立っていき、さまざまな芸術分野において中核的な存在として国内外で活躍し、芸術文化振興に貢献しています。
首里城を背景にした当蔵キャンパスには、琉球楽器の三線や洋楽器、声楽が響きわたる音楽棟をはじめ、絵画や芸術学の広々とした校舎は悠久の古都の歴史風景のなかに溶け込んでいます。また、開放的な崎山キャンパスは、彫刻、デザイン、工芸分野の教育施設としてのびのびと学べる空間となっています。このような歴史浪漫が漂うキャンパスのなかで、個人指導や少人数授業による密度の高い芸術教育を行っています。

本学は、東アジア、太平洋地域の十字路に位置するという地理的特性を活かして、中国、台湾、タイ、インドネシア、アメリカ、イタリア、ドイツの11大学と姉妹校を締結し、芸術教育分野における国際交流を積極的に推進しています。昨年度は、国立台北芸術大学との学術交流として「沖縄・台湾芸術大学交流展2017」を開催し、台北芸術大学教員等とのトークセッションのほか、両学教員が制作した美術工芸作品の展示会を行いました。

情報技術の革新や多様化する価値観により、芸術活動にもさまざまに異なる展開が見られます。それでも芸術は自己を見つめ、複雑化する社会の動きや異なる立場の人々の生き方を理解し、知恵を培う純粋な営為であります。芸術は特別な人のものではなく、芸術の感動は人間への感動であり、芸術によって人間は支えられています。

温暖な気候とゆったりとした時間の流れる沖縄の文化風土に魅かれ、本学には全国から個性、才能豊かな学生達が集まってきます。学内外において多彩な芸術活動が一年中開催されており、地域社会との連携も盛ん行われています。
特色ある伝統文化に触れながら、ここ沖縄から未来につなぐ新しい文化芸術の創造に挑戦してみませんか。

沖縄県立芸術大学学長

[写真]学長 比嘉 康春

プロフィール

比嘉 康春(ひが やすはる、1953年5月24日 - )、沖縄県東村出身。 沖縄県立芸術大学第7代学長。国指定重要無形文化財「組踊」保持者、沖縄県指定無形文化財(沖縄伝統舞踊 三線)保持者。主な著作等活動に、比嘉 康春監修・歌三線「琉球舞踊曲集 野村流」のCD6枚組、比嘉 康春独唱集「かりゆしの古典」「流麗(昔節)」「をどり曲急の人」CD3枚組、「琉球古典音楽野村流 比嘉康春 独唱集」CD7枚組のリリースがある。